先日、ネット試験で日商簿記2級を受験し合格しました。少し、紆余曲折ありましたので、勉強方法と合格までの道筋を記したいと思います。
日商簿記とは?
「簿記は、企業規模の大小や業種、業態を問わずに、日々の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能です。
簿記を理解することによって、企業の経理事務に必要な会計知識だけではなく、財務諸表を読む力、基礎的な経営管理や分析力が身につきます。また、ビジネスの基本であるコスト感覚も身につきますので、コストを意識した仕事ができるとともに、取引先の経営状況を把握できるために、経理担当者だけではなく、全ての社会人に役立ちます。さらに、公認会計士や税理士等の国家資格を目指す方や他の資格・検定と組み合わせてキャリアアップを考えている方々にも必須の資格といえます。
現在、多くの企業が社員に対して簿記検定の資格取得を奨励しているほか、大学や短大の推薦入試、単位認定の基準に採用されていることなどから、年間で約60万人の方々が受験する「日商簿記」として社会的に高い信頼と評価を得ています。」(参照:日本商工会議所HP)
特に日商簿記2級は、「企業が応募者に求める資格ランキング」(参照:日本商工会所HP)でも第1位と、雇用者からのニーズの高い資格と言えます。
私と日商簿記検定
私のそもそもの日商簿記取得の動機は、「自分の資産運用に役立てたい」というものでした。それが、今となっては、転職後の仕事内容に直結、さらに資産運用に役立てるスキルとして進化させたいという思いで日商簿記2級を取得の原動力になりました。
2019年12月頃、日商簿記3級とFP3級を自分の資産運用スキルを高めるため受験しようと決意(勉強方法:簿記3級→クレアールの通信講座(毎日30分くらい)、FP3級→アガルートの通信講座(毎日30分くらい))
2020年2月 簿記3級合格
2020年3月 FP3級合格、この頃から、次は「簿記2級を合格しよう!」と勉強を始める。(勉強方法:クレアール簿記2級通信講座)
2020年4月 仕事(当時は幹部自衛官)が忙しすぎて全く勉強できず(せず)、当初6月の受験を考えていたが断念というかコロナの影響で簿記試験自体も中止
2020年9月頃まで、まったく手をつけず。この頃は、自衛官を退職&転職でそれどころではなかった。
2020年9月下旬 転職後、勉強再開。完全に勉強していた内容を忘れていたため、クレアール通信講座のカリキュラムをイチからリスタート。11月の試験に照準を合わせる。働きながら、新しい仕事を覚えながらの勉強だったので、かなりしんどかったかが、1日30分程度は勉強時間を確保
2020年11月 受験。結果は不合格。年明けからの仕事の忙しさと勉強の気力を無くす・・・。この期間がけっこう続く。
2021年5月中旬 上司に「そういえば簿記2級はどうなった?」と問われ、とてもバツの悪い思い。いきおいで「6月中に取ります」と宣言。勉強再開するも、案の定、知識をほとんど失っていた。
2021年6月末 ネット試験での簿記2級受験。合格(ネット試験では終わったら即結果がわかる)
といった歴史です。今、思い返してみると、勉強している時の苦しさより、「勉強しなきゃ。でもやりたくない。」→「結局、今日もやらなかった」この苦しさの方が、きつかったような気がします。
私の勉強法
私は、簿記2級の試験勉強はほとんどをクレアールの通信講座で行いました。結果的に第1期(2020年3月~4月)で商業簿記の半分くらい、第2期(2020年9月下旬~11月)で全て1順して勉強、1回目の試験の時は、過去問・クレアールの試験対策を解けるようにして臨みました。結果、不合格。
第3期(2021年5月中旬~6月下旬)は、勉強を再開した時「やべぇ・・・。やっぱり全然覚えてねぇ・・・。」という焦りがとても大きかったです。このままでは、またリスタートしたのでは試験に間に合わんと判断し、ネット試験対応の模擬試験集を購入し、ひたすら満点で合格できるまで解き続ける方法をとりました。解きながら、知識を掘り起こそうと頑張りました。結果的にはこの方法が功を奏し、合格することができました。
私が使ったのは、こちらの模擬試験集です。
こちらの模擬試験は8回分の試験がついています。受験してみて、模擬試験の難易度は、本番の試験と概ね同じくらいだと思いました。ネット試験は、受験者の方もよく言っているのを見かけますが、正直、過去問よりも基礎的な内容のため、簡単です。過去問や、難しすぎる通信講座の対策プリントは、返って難しく考えすぎてしまうため、本番と同じくらいの模擬試験を解く練習をした方が良いと思います。私も第3期では、過去問は一切解きませんでした。
模擬試験の他、対策問題集もついていますが、そちらには目もくれず、ひたすら模擬試験を解き続けました。だいたい、平日は30分~1時間、休日は2~3時間くらいの勉強時間で、平日は、模擬試験の1回分の大問を1~2問解くくらいのペースです。
8回を1順(最低8割点数を取って次の回に進む)するのに3週間強、この1順の時点で、試験約2週間前で焦りました。更に私は、第2問頻出の連結精算表を「わからんからあとで勉強しよう・・・。」と後回しにしていたのです。
2週目は、試験前日まで続きました。また、結局、連結精算表は、試験前日と当日の午前中をもって付け焼刃で仕上げて臨むこととなってしまいました。
今、振り返ると、胸を張って「合格できる勉強法」とは言い難いですが、「こうやって合格した人もいるんだ。自分はもっと勉強している!」と自信をもっていただくのも良いかもしれません。
いざ、試験
ネット試験では、試験会場に集まってパソコンへの入力・解答で試験を行います。これは、慣れていないと難しいかもしれません。パソコンを常に使う仕事をしている社会人なら全然余裕なのですが。
画面上の問題分を読む→下書きなどして問題を解く(あるいは直接画面上で解答入力に移行)→マウスでポインタを解答欄にもっていく→選択があるものは、プルボタンを押してリスト表示をして選択する→キーボードのテンキーを使って金額を入力する→・・・・この繰り返しなのですが、イメージができない人は、対策の動画などを見てイメージアップしておかないと、本番が始まると焦る(固まる)かもしれません。
また、試験中は両手が大忙しです(笑)私の場合、
右手で問題の仕訳を下書きしながら解いて、左手で電卓を打つ。
下書きの内容を、右手でマウスの操作、テンキーの入力をする。金額が気になったら、左手で電卓を打ってみて確かめる。
これが、90分続きました。
試験中は、他の受験者も他の試験をやっています。私の試験会場では、遮音用のイヤーマフがあってそれをつけると周りの音が遮音できるため、集中することができました。また、思ったより机が狭く、下書きの時も苦戦します。
試験して思ったこと
簿記2級において、第1問(商業簿記の仕訳)と第4・5問(工業簿記)で点を稼ぐというのが鉄板ですが、ネット試験では、第2問・第3問も部分点が多く、時間を割いてもいいのかな、と思いました。結果的に私の成績は、
第1問 16点(20点満点?)
第2問 20点(20点満点?)
第3問 18点(20点満点?)
第4問 28点(28点満点?)
第5問 3点(12点満点?)
合計 85点
と、第5問でやられていました。工業簿記は、一連の問題が多く、大問の1問目を間違うとそのあとの問題もやられる傾向があります。その点、商業簿記の第5問なんかは、ひとつの仕訳を集計するだけで部分点がもらえたりするので、意外に点数がとれたりします。
最後に
少しでもこれから簿記2級を勉強・受験しようとしてる方の参考になれば幸いです。