おすすめの図書(安全保障について考えるきっかけ)

読書

カエルの楽園 著:百田尚樹

 

カエルをモチーフに使い、現在の日本を取り巻く安全保障環境や日本人の大東亜戦争後の思想、その変化について書かれた一冊。近代戦争史から現在に至るまで、日米韓中の関係について、登場するカエルとそのカエルたちの楽園がどのような未来をたどるのか、というストーリーで書かれています。

自衛官として現職だった時の安全保障の知識があったので、さくさく読めてしまい、「あぁ、こんな未来嫌だな・・・。でも、現実的に可能性として十分にあり得るな。」という感想に至る。

また、そんな基礎知識がなくても、主人公のカエルは、いわゆる「右・左」の思想もなく、ニュートラルな立場で考えていますし、その考えの背景を細かく書かれている(少なくとも私はそう思います。)し、客観的に読める1冊かなと思います。「百田さんは右寄りだから読まない!」という方々も少なからずいらっしゃるようですが、そこまで敏感になる必要があるのかな・・・。

特に、自分的におもしろかったのは、カエルの国の議会において、「暴力反対!最後までウシガエルと対話で平和解決しよう!」と訴えていた議員が、反対議員の話を一切聞こうともせず、暴力で議会から引きずり下ろした場面。おそらく、2015年9月の平和安全法制を巡る騒動を模していると思うのですが、改めてその場面を想像しながら読むと、そのカエルの言動と行動のあまりの不一致に呆れを通りこしておもしろさを感じます。暴力の反対と対話を訴えながら、自国民のカエルには、暴力と議論を拒否して排除する、とてもおかしなことです。

是非、読んでみてください!

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