”保険”といっても色々な保険があります。生命保険、医療保険、介護保険、自動車保険、火災保険・・・・。しかし、保険に共通しているのは、「予期せぬトラブルが発生した際、それに処置をするためのお金をもらう」ということこそが保険の本質であると思います。今回の投稿では、保険について私の考え方をまとめたいと思います。先に私の考えの結論を言いますと、「①働いて社会保険に加入②ライフプランを立て不足事態に対応できる貯蓄がある、この2つの条件下においては、損害保険を除き不要」という考えを持っています。
1 極論を言えば、保険は不要
仮の話をしますが、貯金が10億円あって、今後も贅沢な生活もしないし、ごくごく平均的(その”平均的”な感覚が人それぞれですが)な生活を将来に渡って送ろうとする人に保険は必要でしょうか?何かあっても、貯金で賄えますし、不要であると思います。
私が何を言いたいかと言うと、「入るべき保険は、その人のライフプランと預貯金により違う。」ということです。
「えっ?そんなのあたりまえじゃん」
そう思われますよね?
でも、その前提がわかっていなくて保険に入っている方が多いのです。
「将来何かあったらどうしよう」⇒「とりあえず、保険に入っていれば安心だ!」それはそうですが、自分に合った保険の入り方をしないと、保険貧乏の状態になりますし、「保険料として払うくらいなら自分で資産運用を行った方が良いのに」、という方が多くいらっしゃいます。
2 まず自分と家族のライフプランを決めてから保険を考える。
ライフプランは千差万別・十人十色、本当に人それぞれ違います。考えすぎると、ゴールの見えない迷路に入るのでとりあえずざっくりと考えることをおススメします。例えば、
① 自分が死んだら、残した家族にいくら必要になるのか。
② 自分が病気・けがをして入院したら、入院費用を払えるか。
③ 働けなくても生活できる蓄えはあるか。
④ 他人への損害を与えたときの賠償に耐えうるだけの貯蓄があるか。
上記4点くらいを考えてみましょう。
「① 自分が死んだら、残した家族にいくら必要になるのか。」
これは、未婚・既婚・子供の有無で大きく変わってくるところです。ざっくりというと、独身だった場合、「自分の葬儀代と整理費用200万くらい+両親等へ残したいお金」でしょうか。結婚していた場合は、「家族に残すべきお金」と言ったところでしょうか。
「② 自分が病気・けがをして入院したら、入院費用を払えるか。」
ですが、これについては、自分の現在の預貯金がいくらあるかで対応できるか否か判断が必要です。働いて社会保険に入ってる方(保健証、自衛官なら自衛官診療証を持っている方)なら、長期の入院等に際して高額になった医療費は高額医療費制度でかなり減額されますし、1年間で10万円を超える医療費は、確定申告で医療費控除を受けれて、所得税が安くなる(年末調整をしている方は還付)されます。ちなみに高額医療費制度を使えば、自衛官の月収の方であれば、ひと月の医療費負担額は、高額医療費制度を使えば8万+αになると思います。医療費に関して言えば、預貯金が100万あれば十分対応可能であると思います。
参照:高額医療費制度解説
「③ 働けなくても生活できる蓄えはあるか。」
については、一時的に働けるなるか、心身の欠損などで若くして働けなくなるか、年老いて働けなくなるか、どれかです。社会保険に入っていれば、一時的に働けなくなる方へは、病気休暇等である程度の手当をもらえながら休業できますね。心身の欠損などで若くして働けなる方は公的なものでは障害年金があります。年老いてからは、厚生年金等ですね。③については、いくら必要か、予測が難しいところです。
「④ 他人への損害を与えたときの賠償に耐えうるだけの貯蓄があるか。」
について、一番わかりやすく代表的なものは、自動車での事故で他人に被害を与えたときです。自動車を運転する方は、法律で自賠責保険への加入を義務付けられていますが、相手を怪我、最悪死亡させた場合、賠償額は億に及ぶことでしょう。さすがに、これに対応できる貯蓄を有する方はほとんどいませんし、自動車保険に加入して、対人・対物無制限の保障に入ることが必要と考えます。加えて、通常の生活で他人に損害を与えて際の賠償を保証する個人賠償責任保険(保険会社によって呼び名が違います。他には、生活総合賠償保険とか言われたりします。)も必要かと思います。この加入により例えば、子供が自転車で他人と接触し怪我を負わせた時などの賠償にも対応できます。値段も高くありません。数百円で1億~2億円の保障額が加えれます。ちなみに、個人賠償責任保険は、たいていの自動車保険に付加できるものです。自衛隊の団体傷害保険にも付加することができます。
3 結論、保険に関する私の考え
①働いて社会保険に加入②ライフプランを立て不足事態に対応できる貯蓄がある、この2つの条件下においては、損害保険を除き不要です。ただし、自分に責任の及ぶものですから、下記の事項を考える必要、着意する必要があります。
・ 自分・家族のライフプラン ⇒ 保険金で補わなければならない金額の算定のため
・ 現在の貯蓄額 ⇒ 今、病気やケガで入院、働けなくなったとして対応できるか。できない額を保険で補う。
・ 自動車を運転する場合、任意の自動車保険(自賠責保険は上記にも触れましたが、法律で定められています。(自賠責法)自賠責保険の保険料は、車両購入時や車検の時に支払っています。)には必ず入る。貯蓄が10億くらいあれば、いらないかも。
最低でも、上記3点について考えを持てば、自分に最適な保険の状態に近づけるはずです。また、ライフプランは、結婚、出産、転職、子供の就職などで変わりますので、自分の状態変化の都度、最適な保険も変わるため、保険の見直しが必要なのです。必要な貯蓄額(それに基づく不足事態に必要な不足額も)もライフプランにより変わります。