【体験談】30代幹部自衛官から転職活動

自衛官として現役の方、退官を控えている方、または転職について悩んでいるあなたの一助となれば幸いです。(この記事は2021年1月の記事をリライトしたものです。)

1 転職活動開始前

私は、コロナ禍の真最中、2020年9月中旬頃に退職し、その1週間後には、次の職場で仕事を始めていました。

普通の人は、「転職したいから退職!」というのが多いのでしょう。

私の場合は、実は違いました。貯金も十分(どれくらいが十分なのでしょうか(笑))あり、退職金ももらえるため、「退職しても、いっとき働かなくていいや!資格の勉強しながら主夫をして、考えよう!」くらいの気持ちでした。

言い換えると、「退職することが先にきて、転職(再就職)については先延ばし」という状況でした・・・。コロナ禍だし、良い再就職先もないだろう、と。

しかし!やはり、収入がなくなる、資産が目減りしていくという恐怖、今までの生活費に加え、社会保険で国民健康保険・国民年金を支払うという負担等々「やっぱ働いたほうがいいな」ということになり、妻とも相談の上、働くことにしました。それが、退職日のちょうど1か月前(2020年8月中旬くらい)のこと。

2 転職活動開始!

最初は、「コロナ禍だけど、探せばなんとかなるだろ」という気持ちでした。

しかし、やはり防大からエスカレーター式に陸上自衛隊に入隊し、就職活動すら未経験の自分には、最初のとっかかりがなく、一歩を踏み出すのが厳しかったです。

結論から言うと、「選ばなければいくらでもある」というところにいきつきます。後述しますが、私は、マイナビとスカウト人材という転職サイトを利用したのですが、厳しい条件(特に給与面)を課さなければ、いくらでも仕事先はありますよ。

自分は、「新業種(自分の未経験分野)の自分のやりたい仕事」を優先したため、すぐには見つからなかったですが、大変運よく、3週間ほどで今働いているところに拾っていただきました。

特に、未経験の分野に挑戦する時は、なかなか決まりません。相手も、中途採用者は、分野での経験者、すなわち、”即戦力”を希望して募集をかけています。未経験の分野に挑戦するときは、①その分野に関する資格②その分野で働きながら自己修練していく意志がないと採用してくれません。また、③未経験でもそれを取り返すような+αの特技・経験があれば評価されるかもしれません。ちなみに私は、幹部自衛官としての経験が③になるのではないかと思い全面におしだして就職活動に活用しました。効果はどれほどあったかわかりませんが、幹部自衛官としての経験が面接の時にかなり深堀して聞かれました。

3 私が感じた(体感した)自衛官から転職する利点

※ 転職先の業種・形態により、下記の利点は変わってくると思います。あくまで“私が感じた・実感している”ものです
〇 訓練・即応性の保持等の制約からの解放
私にとっては、これが一番大きいです。毎日、家に帰ることができて、毎日家族に会える。当たり前のことかもしれませんが、自衛官であった10年間、月の3分の1は家にいないのが常でした。また、初動対処などはもちろん、休みの日も電話がばんばんかかってくることからの解放も、最高です!指揮官を経験すると、休みの日の当直からの電話は恐怖ものでした・・・。
〇 全国異動からの解放
全国異動の呪縛は、自分のみならず、家族への負担も大きいため、転職後の定住できることへの安心感、将来の計画の立てやすさは大きいと思います。

〇 自分の時間が圧倒的に長く確保できる。
家族との時間、自分のために割ける時間が、2~3倍くらいになり、今まで手をつけれなかったやりたいことができるようになりました。現職時代は、仕事にほとんどの体力を持っていかれて、子供と遊びに行くのも、趣味をするのも億劫な状態でした・・・。

4 私が感じた(体感した)自衛官から転職する欠点

私にとっては、たった1点です。ズバリ、「収入が半分になったこと」!冗談抜きでちょうど半分です!
自衛官としての職歴は、私の場合、再就職に全く加味されませんでした。なので、給与は新卒相当から開始です。でも、貯金はできなくても生活する分には大丈夫でした。貯金もありましたし、増えた自分の時間でそれを資産運用で増やすこともやっています。毎日帰宅、家にいる時間も増えたため、家事・育児も分担できますし、妻も働きやすい環境になり、共働きで収入の部分の欠点を克服することもできます。

5 転職活動のやり方おすすめ

ちなみに、普通の依願退職ではもちろん援護は使えません。自己開拓しか道はありません。

私も、職場の人事に確認の上、在職中であっても、自己開拓(援護を通さない)の転職活動であれば問題ないことを確認した上で転職(再就職)活動を開始しました。別に、転職(再就職)活動について、報告する義務はないと思いますが、急に「転職するから辞めます!」と言われた方は大変なので、①退職に関して報告②転職(再就職)活動の開始の順番の方が良いと思います。

そんな中、やはり使えるのは大手の転職サイトに登録し、そこで探すことでしょうか。ただし、大手の転職サイトの求人は、都市圏の求人が多くを占め、ローカルな求人は多くありません。比較的、田舎な地域に居を構えて、近くで職を探したい方はハローワークや地元求人を活用した方が見つかりやすいかもしれません。

大手転職サイトは、最初のプロフィールの登録がそのまま履歴書のような形となり、求人を出している企業に面接等を申し込むことでエントリーが完了、先方から連絡があるというシステムです。

なので、最初のプロフィール登録が結構時間がかかりますが、逐次、プロフィールを更新していくこともできます。おススメとしては①必要最小限の要素で登録②興味ある業種を探しながらプロフィールを更新、していくことです。

あとは、ひたすら興味のある求人に応募をかけていきます。マイナビの場合、求人に応募するとプロフィール(職歴等)確認による1次審査のようなものがあり、合格したら2次審査に移行するのがほとんどです。1次審査の合否の連絡に、1週間程度かかりますので、その間はドキドキです。

2次は、相手にもよりますが、面接のところが多いです。私が受けたところ(今、雇ってもらっているところですが。)では、抜き打ちの筆記試験・実技試験もありました(笑)かなり不意打ちだったので、びっくりしました。筆記試験は、簿記関連の試験で、実技試験は、エクセルの使用に関して実技試験でした。

結局、私はマイナビで6件ほど求人に申し込み、2次審査に1件、それがそのまま内定しました。スカウト人材は1件だけ申し込み、1次で不合格でした。

やはり、1次も合格できないと、自身を否定されたような気持ちになりますが、条件が合わなかったのだろうと気持ちを切り替えて次に臨みました。30代半ばになって、就職についての苦しみを体験することができ、人生の糧にすることができました。

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